英国在住未亡人の遺産詐偽
難民キャンプのお嬢様詐欺
中東派遣女子自衛隊員詐欺、など
国際詐欺被害の拡大を防ぐため『国際詐偽探偵団』に寄せられた情報の中から、注目すべき事件を選んで公開します。
「英国在住未亡人の遺産詐偽」「（難民キャンプのお嬢様ロマンス詐欺」など！
＊＊＊探偵団員募集中＊＊＊情報提供はツイッター @fraudwatch.jpn （DM可）までお願いします。
英国在住未亡人（ミセズＸ）の遺産詐偽
詐偽の手口
この女性（以下「ミセズＸ」と呼びます）の写真をプロフィール画像に用いる数多くのアカウントが生まれては消えていますが、フォローされたアカウントの延べ数は百万を下回らないと推測されています。あなたがフォローバックすると、次のような（ツイッターの）DMを受信します。
同一人物らしきMrs.Xの写真（アカウント名は下記）
「お会いできてうれしいです。 私の名前は です。
（註： のミセズＸの名前はいろいろで Fujiko Maiko/Takako Masuko/Natsumi Toshiko/ Fumiko Natsuko/Tsukin Kiyoe/Mingxia Shui/Kaniko Minatu/Kazuza Hiyoro/Atsuki Asuka/Hiroko Masako/Akiko Koike/Akiko Shegeta/Elijahfaith/Takako Kato/Asako Hitoshi/Asouo Yoshiwara/Yuki Aimi/Reina Maki Akihito/Aiko Saito/Sato Noriko/Yoshihiko Yamaki/Makiko Akira/......など…どんどん増えているため、とても書ききれません！）
私はイギリスのロンドンで生まれ育ちました仏教徒ですが、私の亡くなった両親は （註：大阪茨木或いは東京大田区）の出身です。あなたの出身はどちらですか?
子供も親もいない未亡人で、 歳（アカウントによって65～62歳）です。あなたは何歳ですか？
私は今ロンドンのセントトーマス病院（註：https://www.guysandstthomas.nhs.uk/Home.aspx 実在する大病院）に末期の咽頭がんで入院しています。医療専門家の診断によると、私は余命わずか数ヶ月です。
夫は２年前に亡くなりましたが、ここロンドン（と マレーシア）にいる夫の家族は、夫のお金をすべて自分たちのものにしようとした為、彼は 百万ポンド（通常7億円近く）をトランクに詰めてデリバリー会社に預けました。他に選択肢はありませんでした。彼はハンミ密教派（註：実在する仏教学校です。http://www.esotericschool.net/index.html ）を生前に支援していましたし、彼の遺言に従って、私も日本の仏教慈善団体経由で災害被害者に寄付することにしました。これは、私の死の前に私が地上で行う最後の善行の一つにしたいからです。
しかし、私はベッドから動けないし間もなく命が尽きるので、どなたか私に代わってデリバリー会社からトランクを受け取って、私の遺志を実行してくれる誠実な方を探しています。
もし私を助けて頂けるなら、荷物の唯一の受取人になると言って、デリバリー会社 （後述）
へ連絡を取ってください。会社の指示に従えば、トランクはあなたの元へ届けられます。」
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もしあなたが理解を示して「わかりました、協力しましょう」と親切に答えると、これらの詐欺アカウントや、彼らの仲間である偽デリバリー会社（これも1社ではなく増えていきます）は次のような情報を求めてきます。
名前、住所、年齢、職業、携帯電話番号、Eメールアドレス、LINE id など
Full Name: Current residence address: Country state: Age: Profession: Private phone number: Email: LINE ID:
情報を教えるとデリバリー会社から最初は（多額ではない）輸送費の支払いを求められ、もしあなたが輸送費を支払うとトランクが発送され（たという連絡を受け）「貨物追跡ナンバー」を知らせてきます。
彼らの偽ウェブサイトにある「貨物追跡システム」に番号を入力すると現在地を追跡でき、それによれば数日で日本に届きます（実際は嘘）。
しかし元々現金を詰めたトランクなどは実在しません。会社からは「違法な金ではないかと疑われトランクは税関に没収された」という通知を受け、それ以降は化けの皮を剥いだ偽デリバリー会社から脅迫メッセージが送られてくるだけでなく、追加費用を次から次へと請求されます。拒否すると、ミセズＸからは「中のお金の30％を差しあげます。トランク（巨額の現金）が届けば立て替えててくれた費用などは何でもないでしょう。だから配達されるのに必要な費用は支払ってください」と懇願されます。
相手が言ってくる内容を疑うと、ミセズＸの偽弁護士が登場したり、偽刑事や偽麻薬取締官や偽配達員などが登場し、あなたをだまそうとしてきます。しかしすべて詐欺グループの仲間なのです！
あなたが疑って、書類や写真を送って欲しいと言うと、彼らはPhotoshopなどで偽造して何でも送ってきます。
例えば…ベッドに横たわる写真も他の写真を偽造、荷物預り証は他社の社名や住所を差し替えただけの偽造書類、あなたを宛先にした荷物の写真、彼らの顔写真やパスポートまで偽造して送ってきます。
左：偽造画像 右：元画像
お金の詐取が成功すると、自称末期がんのミセズＸはこの世を去って連絡が取れなくなり、仲間は消え去り、デリバリー会社もやがて姿を隠し、別の名前で登場してきます。
あなたをだますストーリー
ストーリーは遺産の寄付だけではありません。美術館や高齢者施設の建築資金提供、難民キャンプからの救出、戦地で押収した戦利金の送付、結婚資金等など、多岐にわたっています！
詐欺に使われる架空のデリバリー会社の偽ウェブサイト（例）
①アジア・エクスプレス・デリバリー・セキュリティー社 https://asiadeliveryservice[.]com/
②グローバルリンク・シッピング・クーリエ社 http://globallinkscc[.]com/
③エバーグリーン・カーゴー・エクスプレス社 https://ececargo[.]com/
(酷似した名前の一流会社あり！)
④ファースト・リンク…社 https://fastlinklogistic[.]com/
⑤エクスプレス・デリバリー・カンパニー社 http://expressdelivery-company.com/
等など 多数 ＊安全のため括弧（ [ ] ）を外さないと飛ばないようにしています。
一見すると大会社のように見えますが、デタラメな住所が記載されているフェイクカンパニーで、突然消えたり、名前を変えて生まれてきます。
これらのフェイクカンパニーは、
①詐欺の犠牲者を募る営業スタッフ（SNSアカウント）②振込先口座の提供者（集金人）、
③偽サイト／偽画像制作者、写真提供者を集め／抱え、状況に応じて
④偽弁護士や偽刑事なども参加させ、
チーム一体となって巧妙に（最初は少額、次第に高額へと）お金を詐取していきます。
探偵団員からの報告によれば、これらのデリバリー会社のサイトは不審なサイトとして登録されているそうです。
①②③のウェブサイトの登録情報によれば
登録住所はいずれもP.O. Box 0823-03411, Panama
登録電話番号も5078365503, Panama
この住所／電話番号で検索すると、これらは詐欺電話がかかってきたとかサイトを乗っ取られたと、その他被害報告が数多く出てきます。
謎
1．謎：写真の女性は詐偽グループの一員なのか、
それとも「なりすまし」の被害者なのか？
2．謎：何故ここまで多くのアカウントが作られたのだろうか？
Fujiko Maiko/Takako Masuko/Natsumi Toshiko/Fumiko Natsuko/Tsukin Kiyoe/Mingxia Shui/
Kaniko Minatu/Kazuza Hiyoro/Atsuki Asuka/Hiroko Masako/AkikoKoike/AkikoShegeta/Elijahfaith/
Takako Kato/Asako Hitoshi/Asouo Yoshiwara/AsakiAkiyo/MakikoAkira/......等など
推理：＜私は本物、その他はなりすまし＞という構図をつくり、逆に信憑性を持たせようとした
以下の図は一部のアカウントのみであってこの後も増殖中
3．謎：写真の女性はどこの誰で、生きているのか、それとも故人なのか？
但し、MakikoAkiraさんの写真は、韓国の詩人であるlee hyang-ahさんの写真を盗用しています。
https://www.mstoday.co.kr/news/articleView.html?idxno=49823
4. 謎：何故、日本の警察は容疑者の逮捕に至らないのか
お願い：
詐欺の手口は判明しましたが、いくつかの謎は未だ解明されていません！
推測や提案、情報の提供をツイッター@fraudwatch_jpn までお願いします。
国際詐偽探偵団
